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Guru's Cut & Stand 久保勝也

interview

INSIDE / OUTSIDE【009】Interview with 久保勝也

祐天寺にある美容室、Guru’s Cut & Stand。
Standと呼ばれる物販スペースやスケボーデッキのディスプレイ、ラウンジスペースが広く設計された空間には、
スケーターを始めとするさまざまな人々が集い、日々新たなモノゴトが生まれています。
今回のfairgroundインタビューは、Guru’s Cut & Standのオーナー、久保勝也さんにお話を伺いました。

 

―Guru’s Cut & Standを始めるまでの経緯を教えてください。

中学生の頃から通っていた地元の美容師の勧めもあって美容専門学校に行ったことが始まりです。
ちょうど”カリスマ美容師”が流行る少し前だったかな、
専門学校を卒業して19歳で都内の美容室チェーンに入社して、
24歳から6年間店長を務めた後に、独立しました。
ちなみに、中学生の頃に通っていた地元の美容師とは今も縁があり、
Guru’s Cut & Standを手伝ってもらっているんです。

 

―それはステキなつながりですね!久保さんはスケボーもやられていますが、
忙しい美容業界でどのように活動されていたのでしょうか。

美容室が終わった後にスケボーで遊んで、その後更にクラブ通いの毎日!
家に帰る時間がなくて店で寝ることもあったり。
どれが一番大事ということもなく、僕にとってはどれも必要なことでした。
あとは、海外に行くためには周りが何て言おうと休みもきちんととっていましたよ。
感覚的に成長するためにも、新しい発見や刺激を得るためにも
海外へ行くことは自分にとって大切なことで、それは今も変わりません。

 

 

―独立を考え始めたきっかけは?

あるときメンズサロンを出さないかと社内で提案したら、
会社側からの反応もよくて2年ほどかけて着々と具体的な企画が進んでいたんだけど、最終的にNGが出てしまって。
もう自分の中でのイメージも固まっちゃっていたから、これはもう出るタイミングかなと思って独立しました。

 

―いまでこそメンズサロンは増えていますけど、当時から考えると時代を先取りしていますよね。

新しい情報や時代の動きは、ストリートで活動していたから得られたのだと思います。
やるかやらないか、ジャッジの早さも大切ですよね。

 

―それで2009年のオープンにつながるんですね。祐天寺という場所を選んだ理由は?

ひねくれたかったからかな。男の子はひねくれるのが一番格好いいと思うじゃない?
僕はずっと当時のファッションシーンのメインでもあった代官山で働いていて、
ひねくれたい人たちは中目黒にも店を出し始めていて。
当初、僕も中目黒に出店を考えていたんだけど、運命的にこの場所に出会ったんです。
祐天寺はファッションシーンからも離れてるし、ちょっとひねくれすぎかと心配もしたんだけど。

 

―Guru’s Cut & Standという店名の由来は?

Guru’sは、日本語で「グルになる」のグル。
元々、ブルックリンにある床屋みたいに誰でも気軽に入ってこれて、
バスケの試合だけ見て帰ってもOKみたいな、気軽なスタイルの店にしたかったから。
店名を決めるまでずいぶん悩んだんだけど、辞書で”グル”を調べると
“悪だくみをする仲間たち”という意味が書かれていて、
これはもう完全に舞い降りた!と笑。
Cutは美容室、Standはモノを売る場所です。

 

 

―なるほど。仲間が集まるということを大切にされているんですね。

店のコンセプトでもあるんだけど、ここは情報交換の場でありたいんだ。
人が集まると何かが生まれるでしょ。
その回数を重ねていくと感覚が近い人たちが集まって、さらに何かが生まれるじゃない?
それで自然と発展してく。僕もここでホットな情報を得たいし、
僕自身がこの場所に期待しているんだ。

ー人がたくさん集まるこの場所から、きっとたくさんのモノゴトが生まれてきたんでしょうね。
ここからの発信という意味では、入り口の料金表の上のスペースが、
”アートボックス”と呼んでいる展示スペースになっていて、
有名無名問わず、自分の作品を見せたいという人に貸し出しているんです。
店の前の道が通学路になっているから、
展示内容が変わると小学生に指摘されることもよくあるんだよね笑

 

―久保さん、そしてGuru’s Cut & Standの今後の展望を教えてください。

店をオープンさせてから3年、今はまだこのお店をフル稼働させることを考えているんだけど、
このままでいるつもりはないんです。
ここは人の集まる場所であってほしいけど、そこに自分は別にいなくてもいいとも思ってるし。
どう転んでいくんでしょうね。
海外への出店も考えているけど、明日は全く違うことを言ってるかもしれないです笑。

 

 

―この場所と、ここに集まる人たち、そのときの時代の流れが組み合わさって久保さん、
Guru’s Cut & Standがどう変化していくのか楽しみです。
ありがとうございました。

 

 

<Shop Information>
Guru’s Cut & Stand
東京都目黒区祐天寺1-22-10
・03-6412-8953
営業:11:00~ 定休日:水
http://gurus-cut.com/

<Event Information>
毎週木曜日に渋谷AMATE-RAXIのフロアにスケボーランプが設置される
スケーターイベント「BUENA SUERTE」の毎月第三木曜日をGuru’sメンバーがオーガナイズ中!
http://www.amrax.jp/index.php

撮影:natsu
編集:acco&masa