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Date:2013/07/05

飯田竜太 – End of Recursion time of a sea gull @ SLANT

世界中からその動向が注目を集める存在となったアートユニット「ネルホル(Nerhol)」の彫る人、飯田竜太の個展が7月9日(火)よりSLANTで開催される。

飯田竜大は、学生時代に習得した彫刻を表現の核に据えながら、本や印刷物といった紙を中心とする素材を圧倒的かつ精緻な技術によって切り刻み、
それらがもともと有する文字情報や様々な記号、そして装丁までをも織り込んだ、新たな「立体作品」を浮かび上がらせている希有な作家だ。
その確かな技術をともなった横断的な作品表現、建築的なアプローチをも応用した空間を駆使する展示によって、着実に高い評価を獲得してきた。

本展では、作家本人がステイトメントで言及している「回帰(リカージョン)」が一つのテーマとなっている。

 色々なことを詳しく相手に伝えたい時、言葉の不足を言葉で補おうとします。
 これを言語の回帰機能「リカージョン」といいます。
 文字を藝術の術(すべ)とした作家は、これを巧に使い分け人生の分身として作品を作り続けました。
 作家が没し、編纂された「全集」という本は作家の人生をまとめた文字としての時間性=人生を表しています。
 本を開き・読む行為に変え、切る事で文字の持つ情報を平面化し文字で伝えられない表情としての時間性を表す事が、
 今回の展示の試みとなります。
 - 飯田竜太 –

『森鴎外全集』を使った新作の階段状のインスタレーションや英文字を切り抜いた書籍とその文字から生み出された球状の立体作品などによって、
彫刻と本、そして文字という異なるメディアの新しい邂逅が生みだされる。

会場では、本展に合わせて制作された作品集がSLANTの発行するタブロイドシリーズの『3』として先行販売される予定だ。
紙を素材とした作品群が、タブロイドという紙媒体に「回帰」されている様は、これ自体もひとつの作品であるかのように感じさせる。

飯田竜太作品集 『3』
SLANT刊
H408×W273mm/タブロイド版新聞サイズ
カラー、24ページ
定価:500円 (本体価格 525円)
アートディレクション:田中貴志

<開催概要>
展覧会:飯田竜太:再帰の終焉 Iida Ryuta: End of Recursion time of a sea gull
会期:2013年7月9日(火)ー8月4日(日)
時間:12:00~19:00
会場:SLANT(〒920-0962石川県金沢市広坂1-2-32 北山堂ビル2F
電話:076-225-7746
入場料:無料
休廊日:月曜日、火曜日(但し祝祭日の場合は開廊
電話:076-225-7746

Profile
飯田竜太/いいだゅうた
1981年静岡県沼津市生まれ。2004年日本大学芸術学部美術科彫刻コース卒業。
自ら収集した古書 や稀覯本を素材にして、それらの書籍に「彫る」という行為を施し独自の立体作品をつくる手法を確 立する。
2004年「第22 回グラフィック一坪展」グランプリ受賞。2007年graf media gmにて初個展、2009年「岡本太郎現代芸術賞」入選。
2010年は台北のPF gallery にて三人展「手感的妙PART1」やFUBON ART FOUNDATION 主催の「VERY FUN PARK」へ参加。
国内ではと艾未未らとともにコム デ ギャルソンのDMシリーズのひとつとして作品が採用される。
また『トマス・ピンチョン全小説』の発行に際して処女作「v.」の装画や、荒木飛呂彦責任編集『JOJOmenon /ジョジョメノン』に寄稿した
吉本ばなな書き下ろし短編の挿絵なども担当。
www.ryuta-iida.com

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