Natural High!、りんご音楽祭、新島WAXなど多数の野外イベントに出演し
各地を旅する音楽アーティストAutoが、自身初となる12インチ EP『Star Stalk EP』をSecaiとのスプリットでリリース。
いま注目のAUTOの新譜&リリースパーティに先駆けfairgroundメンバーのDJ FUNNELがAUTOと対談を行なった。
―まずは、EPのリリースに至った背景について教えてください。
AUTO(以下A):
昨年、コンピやREMIXアルバム単発で楽曲提供を続けている中で、自分名義の作品をカタチに残したいと思ったことがきっかけです。
これまではDJやLIVE、イベントのオーガナイズといった外での活動が多かったけど、音源作りにシフトしたいという思いと、
それらの活動を通じて今まで知り合った人たちと一緒に、集大成としてカタチとして残したいという想いもありました。
DJ FUNNEL(以下F):
Secaiとのスプリットにしたのはどうして?
A:
数年程前にマジックブックレコーズというインディレーベルがあり、そのつながりで知り合ったんですが、
自分たちの信じられるものにひたむきに、黙々と向き合うSecaiの活動、姿勢に共感し、何度もライブやイベントを共に行なってきた中で、
カタチにならないものをずっと一緒に共有してきたからこそ、彼らと何かを一緒にカタチにしてみたいと考え今回、僕から声を掛けました。
F:
アナログで出したかったんだ?
A:
当初はCDアルバムを出す話もあったんですが、現在の状態でアルバムという単位で出すよりは音質的な部分でも楽曲構造の部分でも、
思い入れのある曲を1つずつ大切に作りカタチにしたいと思ったのでアナログにこだわりました。
―アナログに踏み切ったのはDJ活動をしていたことも影響しているのでしょうか?
A:
それは大きいですね。
CDやレコードを買い、家で向き合う時のワクワクした自分の体験や、
そんな人をたくさん見てきたからこそパッケージとして作品を作りたいと思っていました。
また、協力して下さった方との信頼関係が築けたので今回はリリースをUltravybeにお願いしましたが、
僕も根本的にはひとりで活動を担う姿勢を持つことが大切だと思っています。
FUNNEL さんは販促やプレスも含めてひとりでやられていますよね?
F:
今は、最後まで責任を持って、アーティスト個人がやらないといけない時代だと思うんだ。
そのために、現場/制作/宣伝/流通まで見るのは本当に活動の時間配分が難しいよ。
でも、リスクを背負った上で自分でやった方がやりがいもあるし、納得出来る部分も多い。
自分にとって何が必要で何が不必要なのかが見えてくると思うんだ。
そういう意味で、レーベルに所属しているアーティストでも、自分でやるっていう視点や姿勢があるかどうかで先が変わってくると思う。
DL配信に時代は流れていくのは確実だと思うけど、モノが届いて反応がある方が自分は分かりやすくて好きなんだよね。
だからAUTOくんがアナログをリリースしたことはすごいな、と思ったよ。
―単発の楽曲リリースでなく、EPとした際に何か描いたテーマはあったのでしょうか。
A:
Secai と話し合って、「架空の野外イベントでの一夜に流れる曲」をテーマにしました。
僕はサウンドシステムを運営していて、色んな山や島でパーティをやっているんですけど、
そこで起きたこととか見たものが自分の中に大きく存在していて、それをカタチにしたかったし、
疑似体験じゃないけれど、聴いてくれたリスナーもそれを一緒に体感できたらいいなと思って、このテーマを考えました。
ジャケットには星空の写真を使用し、タイトルを『Star stalk』と名付けました。
「Stars Talk: 星たちの会話」という意味と、「StarStalk:星の徘徊、歩く」という意味のダブルミーニングになっています。
仲間たちと色んな場所へ旅したことや、そのときの会話やつながりを届けたいという思いを込めています。
―Funnelさんも「野外」を感じるmixCDを作られていますが何か意識していることはあるのでしょうか。
F:
昔は環境音とか意識していたけど、色々と作っていくうちに今はそこも意識しなくて良いんだという想いにシフトしているかな。
何かテーマがあって作るというよりは、作っていくうちに入り込んでいく感じ。
曲を1つかけた時に次の曲が浮かんで、それを次々とつなげていくうちに自然とストーリーができていく感覚です。
それが日常の風景の中で、BGMになるようなものが出来たら良いなと思ってます。
そして時流に合った音も大事だけど、あくまでも自分のフィルターにひっかかったものをアウトプットする事を大事にしています。
リスナーが俺の曲やMIXを捉えている感覚と、自分自身が作っている感覚はまた別だったりするし、
それはリスナーの人達が自由に感じてくれたら俺は、いいと思います。
A:
僕も自分が描いたものとリスナーの受け取り方は異なるものだと思ったのでテーマを「架空の」と設定しました。
―今回のAUTOの楽曲についてどう思われましたか?
F:
キックの鳴りを聴くと90年代の雰囲気を感じるな。
俺もブレイクビーツの硬派な部分にすごく影響を受けているからAUTOくんとはそこに共通するものを感じるんだよね。
A:
曲作りではドラムにばっかり時間をかけるけど、まだまだビートには自信ないんすよね笑
F:
俺も昔はまずキックとスネアを聴いて、DJの現場で使えるかどうか判断していた時があったかな。
でも、経験を重ねて行くうちに、キック、スネアだけでなく曲全体の空気感を見るようになっていったよ。
F:
作品を出すまでのモチベーションがあったからこそ、ここまで続けてきたと思うんだけど、AUTOくんは何に影響を受けてきたのかな?
A:
一番影響受けたのはやっぱり友達ですね。
作った気持ちが分かるからこそ影響を受けるし、自分よりうまいやつに少しでも近づきたいと思ってここまでやってきましたね。
F:
俺も始めは高校の友達がターンテーブルを持っていたことがきっかけだったし、KRUSHさんとの出会いが凄く大きかったな。
―2人はDJをどのように捉えているのでしょうか?
A:
DJ に限らず、Dub Mixやハード機材を用いたLIVEも行なっているので自分がDJであるという意識は薄いですね。
ライブハウスで働いていた経験や、サウンドシステムを運営する中でPAにも興味を抱くようになったし、
色々なやり方で音楽と関わっていきたいと思っています。
サンプラー使いながらDJしたり、楽曲を楽器別や周波数毎にエフェクトをかけたり自分なりの表現を確立したくてやっています。
DJ MIXも作りたいですけどね。
F:
逆に俺は、「やっぱり DJ だった」って立ち返ったんだよね。
俺も楽曲を作っていく中で、DJ をするのとは全く違うから、DJと分けて考えたい部分もあるんだけど、
結局の入り口はレコードを買って培ってきたことが今につながっている。
楽曲を作る時も全部ひっくるめて、 DJ という部分は外さなくていいなと思ったんだ。
そう考えるようになってから、現場ではこの場をいい空間にする、
そこにいる人に楽し んでもらう曲をチョイスしていくっていうことがようやくできるようになってきた。
その楽しさを知ると、曲を捕らえる耳の感覚の幅がどんどん広がっていって、今はすごく刺激的なんだよね。
―では、最後に2人の今後の活動を教えてください。
F:
7月は都心以外に、千葉、愛知、岐阜をDJで回ります。
8 月は江ノ島の SUNSET LOUNGE(FREEDOM SUNSET PRESENTS)や、野外の DJ を予定しています。
今まで共演した事がないよう色んなジャンルの人と共演するので、
それを色々と自分 に反映して、壁を作らずこれからも色んなイベントに出てみたいなと思っています。
楽曲の方では、朝霧ジャムやNatural High にも出演している L.E.D というバンドのリミックス を手がけていて、
夏頃アナログでリリースする予定です。
9 月には、毎年楽曲を提供している NEO IMPRESS というスノーボードチームの DVD がリリースされる予定です。
A:
僕は、今回のEPに続いて、未発表曲を加えたCDを8月8日にリリースします。
また、7~9月は野外イベントを中心に日本全国を回るほか、毎年オーガナイズしている新島のイベントを9月に開催します。
7 月 16 日には、
FUNNELさんと共にオーガナイズをしている Roundabout というイベント でリリースパーティを行います。
7 月は他にも同じイベントで共演できる機会があるので楽しみです。
F:
今後のAUTOくんの活動に期待しているし、
ここからどういう方向へ進んでいくのかすごく楽しみにしています。
―本日はありがとうございました。
Auto&Secai 『Star Stalk EP』
< TRACK LIST >
side a: Auto
1 Back to the 90′s (3:27)
2 Things Happen at Night (4:27)
side b: Secai
1 ni-ji (8:33)
2 asa (7:00)
http://starstalkep.web.fc2.com/index.html
Roundabout #2
~Auto & secai 『Star Stalk EP』 ReleaseParty~
7月16日(月・祝日)
@ Saloon, Daiakanyama
16:00~22:00
Fee:¥2000(1D) or¥1500(No D)
Guest:
secai (NSD & Dasman)
Bugseed
dubinch
yop
Resident:
Auto&龍山一平
DJ FUNNEL
DJ KENTA
vj:majio、Fushimi Naoto
Food:cafe line
http://roundabout-info.blogspot.jp/
撮影:natsu
編集:ArinaTsukada&masa