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『めざめ』 松本一哉+齊藤功 打楽器Duo北陸ツアー

2013年3月29日〜31日に打楽器奏者の松本一哉+齊藤功という二人が北陸ツアーを敢行する。

打楽器奏者というメロディー楽器ではない二人のライブに興味があったので、彼らとカフェで話をする機会をいただいた。

僕は以前、インプロビゼーションにとても興味をもっている頃があり、その深さ、その危うさに善くも悪くも様々な音源を聞いた。

エリック・ドルフィーは言った。

“When you hear music, after it’s over,it’s gone in the air.
You can never capture it again.”

「音楽は聴き終わると、空中に消えてしまう。再びそれをつかまえることはできない」

インプロビゼーション(即興演奏)にはもちろんルールは無いので、
音楽的な感動はいわゆる普通の音楽と同等とは限らない。だが稀に、そう稀にではあるが、それ以上の可能性を秘めている。

それは、今産まれる音楽であるということから、演奏者は言葉を使って会話するかのように、
もしくは翼を失った鳥が、妄想で自由に空を飛び回るように、制限されることが無い世界を行き来出来るからだ。

そのため、彼らはスペシャルな言語を持っていると思えばいい。

音楽は僕らの共通言語だ。

時代的には1960年〜80年くらいにはJazz奏者を中心に多く演じられてきたと思うのだが、
Jazzの行き着く先のひとつの形であったことは確かだ。

なにしろjazzのほとんどの時間はアドリブであり、テーマ(主旋律)を持たない楽曲においては、
すべてが即興性、偶然性(技術や感性に基づいているので、正しい言葉かどうか分からないが)を持っている。

そのため、サックスやピアノなどメロディーを奏でることが出来る楽器はもちろん、
打楽器ならではの本来私たち人間が持っている本能的、生物的なビートを使ってのインプロビゼーションは多様な形を持って演奏されてきた。

そこには当然、演奏者の音楽の理解を超えて、人間性、感受性、さらにリスナーとの会話、現場の空気などすべての事象に由来する音が発せられる。

言葉にすると難しく聞こえるかもしれないが、
簡単にいえば、ストイックにもなれるし、短絡的にただただ楽しい演奏をすることも出来る。
卓越した技術を見せることも出来るし、偶然によるアンサンブルをもって昇華し合うことも出来る。

日本でも多くの演奏者がプレイしており、その多くは(表に出てくるものは)素晴らしいものが多かった。

これは僕の思うところ、いわゆる日本人の文化である『間』であり『心』や『丁寧さ』そして『繊細さ』が深い味わいや絶妙なニュアンスをもって、
それ自体を『美しく』することが出来るのでは無いか?と思っている。

決して狂気に満ちている放出系のような音楽ではなく、
今何を想い、そこに何があるのか。
常に問い、常に思考する音楽だと私は想っている。

改めて、彼らに聞いてみた。

「この音楽は何を目指しているのか?」

「決して自己満足ではなく、チャレンジであり、表現であり、愉しみであり、可能性である」と、彼らは言った。

その言葉を聞いて、僕は彼らの音楽に興味があって仕方ない。

もしこれらを聞く機会があれば、ぜひ参加していただければと思う。

no.9


Photo:YatooTakashi
 

■2013年3月29日(金)
新潟 山ノ家 Cafe&Dormitory
出演:松本一哉+齊藤功、sawako、haruka nakamura
〒942-1526 新潟県十日町市松代3467-5 tel 025-595-6770
開場15:30 / 開演16:00 ¥2000(with 1drink)
http://yama-no-ie.jp/
http://www.facebook.com/YamanoieCafeandDormitory
fairgroundメンバーによる山の家旅行記

■2013年3月30日(土)
富山 nowhere
出演:松本一哉+齊藤功、sawako、haruka nakamura
〒939-2715 富山市婦中町下坂倉34-5 tel&fax:076-466-5537
開場19:00 / 開演20:00 予約¥3,000(with 1drink)/当日¥3,500(with 1drink)
http://nowhere-else.info/

■2013年3月31日(日)
social
出演:松本一哉+齊藤功、sawako、haruka nakamura
superlens、ykyky and more
drawing:WRITER
〒920-0981 石川県金沢市片町2-10-42 RENN bldg.B1F tel. 076-223-0038
開場18:00 / 開演18:30 ¥2500(with 1drink)
http://www.puddlesocial.com/

■2013年4月5日(金)
綜合藝術茶房 喫茶茶会記
出演:松本一哉+齊藤功、sawako、haruka nakamura
〒160-0015 新宿区大京町2-4 1F tel 03-3351-7904
開場19:00 / 開演20:00 ¥2500(with 1drink)
http://gekkasha.modalbeats.com/

●予約受付、お問い合わせは各会場、もしくは「horhythm18@gmail.com」まで。
●新潟、富山、東京公演は各30~40名ほどで定員です。お早めにお申し込みください。

松本一哉
石川県出身の打楽器奏者。
波紋音や銅鑼などの打楽器を中心に、玩具、生活用品、廃材、我楽多などの非楽器など、
惹かれたモノなら何でも用い、音の可視化をコンセプトに表現を続けている。
音楽表現を追求する姿勢、音への飽くなき熱意などが支持を得てAmetsub、sawako、
Taishi Kamiya、FourColor、minamo、34423などの電子音やサウンドアート、音響系などのアーティストとの共演をしている。
また、ドラマーとしてFilFla、henrytennis、yuanyuan、mergrim × kazuya matsumotoとしてエレクトロニカシーンなどで活躍中。
http://www.horhythm.com/a>

齋藤功(saito isao)
打楽器奏者 1981年 神奈川県生まれ
様々な打楽器や非楽器を用いて、そこにある音を創りだそうとしている
主な共演者:青葉市子、煙湾、HARUKA NAKAMURA、佐山こうた「流出」etc
isaaaaaaaao@facebook.com

sawako
名古屋出身、東京とニューヨークに6年ずつ在住後、ノマディックに活躍中。
デジタル技術を用いながらオーガニックで瑞々しい世界感を紡ぐ音響作家・メディアアーティスト。
これまで12kなどから通算4枚のソロアルバムを、scholeからコラボレーションアルバムをリリース。
日常の小さな断片をき2011年にはスペインのSonarフェスティバルでプラネタリウムのための音と映像の作品を発表、
その他にMUTEKフェスティバル(カナダ)、 Gladeフェスティバル(イギリス)、Institute of Contemporary Art London
(ロンドン)、OFFFフェスティバル(リスボン)、Warmup atP.S.1/MoMA(ニューヨーク)など世界各地でパフォーマンスを展開。
www.troncolon.com/a>

haruka nakamura
ピアノとギターを弾く。
これまでに「grace」「twilight」
Janis Crunchとの「12 & 1song」を発表。
3rd album「MELODICA」の発表を控えている。
www.harukanakamura.com